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想雲夜話

空に浮かぶ雲のかたちが、ふと大切な人の顔に見えたり、だまって雲の流れを見つめながら、こころの整理をしたり。 ゆっくりした時間の中でふと考える。 祈るってなんだろう、供養ってなんだろう。 いまを生きていることの不思議をしみじみ想う夜のおはなし。

わが手の甲に

わが手の甲に

わが手の甲に
第11夜

わが手の甲に

夏はもはや遠く去りゆき、しかし、その旺盛な精神はいまだここに漂っている。その風情を三島由紀夫は、「夏が老いてゆく」と言った。夏が来て、秋が来て、冬が来て、春が来て、また夏が来て、秋が来て、冬が来て、春が来て。人もおなじく、若者はやがて歳を重ね老人になり、世を去り、そしてまたつぎの若者が歩き出す。老人が若者になることはなく、まぶしいほどの若さが失われて、なお残るものはなんだろう。

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