供養のはなし
sottoの考える祈りの場
時代がどんなに変化しようとも、身近な存在、大切な人の死を受容することは簡単なことではありません。遺された者が、死別という事実に折り合いをつけながら悲しみをやわらげていくためには、物理的な時間が必要であると同時に心を落ち着ける場が必要です。そういう意味で、日本古来の「墓」や「仏壇」は、仏さまの浄土を感じ、故人( ご先祖) と心の対話をする神聖な場としての役割を担ってきました。
しかし、家督制度に対する意識の変化や宗教観の多様化によって、墓葬の概念が絶対で無くなりつつある今、旧来の仏壇に対する考えも変わってきています。 居住空間の欧米化も相まって、仏壇を設置するスペースを充分に取れないという声も聞かれます。
「sotto」は、そんな変化をとらえ、祈りをささげたいという方の気持ちをまず一番に考え、暮らしに寄り添う場を提案しています。
供養とは
供養は「供給資養」という言葉が略されたものです。供給はお供えすることを指し、資養とは資= 手元、つまりは己の心を養うという意味を持ちます。亡くなった人、先祖の冥福を祈ることは、ただ物をお供えするだけではなく、心を尽くすことでもあるのです。
仏教では、葬送を終えた後も、初七日、四十九日、一回忌と、それ以降も形式的には五十回忌( 弔い上げ) 以上、死者の供養が続くこともあります。親しい人の死を悼み、遺された者が心の整理をつけながら故人への感謝を心に刻んで、後世へと命をつないでいく。供養とは単に弔いの行為ではなく、もっと大きな、人間の営みそのものともいえます。
時代と共に家族構成やライフスタイルが変化していくなか、供養に対する考え方も変化しつつあるのではないでしょうか。
仏具とは
仏さまやご先祖を敬うための祈りの場で、灯りや香り、花などの供物をささげるための道具を「仏具」といいます。お寺の本堂に用意されているものも家庭用に作られたものも、その大きさや形、種類は多様でも、起源や本来の役割は変わりありません。
仏具のやくわり
ささやかでも、美しい花でお飾りし、ほのかな明かりと焼香の香りで祈りの場を包み込むことはできます。そうして、仏さまに手を合わせることで神聖な気持ちが生まれ、やがて心の充足へとつながるのです。
三具足と五具足
「sotto」が考える供養のために最低限必要な仏具は、火立、香立、花立の3種類で、これは「三具足( みつぐそく)」と呼ばれ、各宗に共通する必需品です。本尊( 仏前) に火立と香立を対に配置する場合は「五具足( ごぐそく)」となります。「具足」とは本来、ものごとが充分に備わっているという意味を持っています。